プロ視点の快適な間取り術、階段編

ラクジュ本橋哲幸 (2014年4月 2日 18:41)|コメント(0)| トラックバック(0)

プロ視点より快適な間取りを考えるーその3

階段を考える

階段は、階と階をつなげる立体的な移動を必要とする部分ですね。

日本の住宅は古くから階段をあまり重要視していない風潮があります。
古民家など見学すると2階建ての建物でもお城など豪華な建物ででも階段は
すごく急なことに驚きます。

それでは、階段について寸法など考えると
建築基準法には階段の踏面とけあげ(1段の高さ)と手摺の設置が義務
一戸建ての住宅では、階段の巾は75センチ以上、踏面21センチ以上、けあげ22センチ以下
なんでこの寸法に決まったのかは定かではないのですが・・・

ということで、階段には規制もありますので簡単ではないのですが
通常住宅の階段は13~15段程度ではないでしょうか。

階段の話は色々な視点から考えられますが、間取りをテーマの場合はどこに配置するかです。

一般的には、玄関ホールにあり玄関よりリビングを介さないで2階の部屋に上るプラン
もう一つは、リビングに階段がある、リビングイン階段と2つに分かれます。

どちらも長所、短所がありますので住む家族の好みにより変わりますね。

ちなみに欧米ではどうかと言いますと、基本リビングインの階段が多いですね。
欧米では、パブリックスペースとプライベートスペースを分ける傾向があります。
中世よりほとんど生活スタイルが変わっていないのですが、パブリックスペースはリビングにあたります。
欧米のテレビドラマや映画でも玄関入ってすぐリビングがあり暖炉がありダディーがソファーに座っている
そこへ子供と友達が入ってきて父親と親しげに話す光景が良く見られますが
これはリビングがパブリックスペースであることの証拠です。

まあ、欧米型プランについては今後お話ししますので、階段に話を戻しますと

リビングインの階段でも玄関階段でも良いのですが、私はリビングイン階段を好みます。

ただし、リビングインの階段の欠点は、1階と2階を空間がつながるので音や空気なども直接伝わるところです。

それでも、その欠点を上手に使って広がりのある吹抜けからの光や風を家全体に運ぶ階段にすることが
プロ視点の快適な間取りとしての階段ではないかと思います。

130207015.jpg リビングの南側に配したストリップ階段

小さな吹抜けと併設することで、吹抜け効果が増し階段の存在を際立たせながら無駄なスペースとしない工夫

120710033.jpg 暗くなりがちな階段、廊下スペースを明るくする

IMG_1152_a.JPG リビングインでも階段の存在を隠す方法も

DSC_1924.jpg 玄関ホールをパブリックスペースとして使う

リビングインでは無いのですが、暗くなりがちな北側の階段スペースを玄関土間ホールに配し
明るくお客様をお迎え出来てくつろげる通り土間的な玄関とストリップ階段の組み合わせ。

階段は奥が深いでも、そして設計的には階段は見せ場でもあります。
毎日上り下りするところでもあり、楽しく住まう重要な要素です。

ラクジュ本橋

 

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